腰椎変性すべり症の原因

ここでは腰椎変性すべり症について説明して行きます。

腰椎変性すべり症とは、腰痛の一種で、他ページでも述べている腰椎分離症を伴わないすべり症です。言い変えるなら骨折を伴わない経時変化により起きた腰椎すべり症となります。

症状は腰椎分離すべり症も腰椎変性すべり症も似ていて、一般的な腰痛症状の他、臀部や脚のしびれ、痛み、泌尿器系の障害、熱感などの感覚障害などです。歩いていると脚のしびれや痛みにより歩けなくなるが、しゃがみ込んで少し休むとまた歩けるようになる間欠性跛行がみられる事もあります。

腰椎分離症と同じように腰椎変性すべり症の方の骨盤の特徴として骨盤の前傾が見られます。様々な理由で骨盤が前に傾く事により、背骨の腰部分にあたる腰椎が大きく反り返り、腰椎が前方に滑ろうとする力が働きます。

板が骨盤でボールを腰椎に見立てて考えるとイメージしやすいかもしれません。水平の板を傾けるとボールが滑って転がるように、土台である骨盤により、腰椎が滑るかどうかが決まって来ると言っても過言ではありません。

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ではどうして骨盤が前傾するのでしょうか?

生まれつき骨盤の傾きが強い人も中にはいますが、始めから腰椎すべり症の症状があるわけではありません。ですが、骨盤の傾き角度が平均値に近い人に比べ、元々前方に傾く力にさらされているため、経時変化による歪み、傾きの進行は早いので腰椎すべり症を発症しやすい傾向にあります。

これ迄札幌市にて多くの腰椎変性すべり症患者を診てきましたが、機械体操や新体操、社交ダンスなどの競技歴がある人にも腰椎変性すべり症が多い傾向にあります。腰を反って美しく見せる事が得点に繋がるという共通点がありますので、その事が腰椎変性すべり症を誘因しているのではないでしょうか。

骨が滑ってると聞くと怖い気もしますが、原因をみつけ適切な治療を施せば、ほとんどの腰椎すべり症は改善出来ます。手術をしても痛みやしびれが取れないどころか、悪化する事もありえます。一度メスを入れてしまうとその事実は変えられないので、施術による回復幅にも影響を与えます。メスを入れる前に適切な対処をしてほしいものです。