横座りがもたらす腰痛への影響

日常生活において様々な習慣や癖が腰痛の引き金になる事は言う迄もありませんが、横座りもその一つです。

その一つ所か全身の関節や筋肉などに狂いを生じさせるという意味で、特に悪影響のある座り方です。

ではなぜ全身に狂いを生じさせ、特に悪影響があるのか?

横座りの形を思い出して頂けるとわかると思いますが、左右非対称な脚の形をしております。その結果、骨盤や上半身などその上に連なる関節は左右に曲がりつつ、回旋変位(捻れ)も加わります。その点他の座り方よりも複雑化するのです。

座り方に限って言いますと、例えばあぐらや体育座りなど、腰や背中が丸くなる後弯(猫背)を引き起こす事はあっても、左右バランスが極端に崩れる事はありません。それに比べて横座りは、片脚は外旋位(あぐらの形)で、もう片方の脚は内旋位(膝が足より内に入る形)になります。

骨盤は左右に蝶々の羽様の骨、寛骨がありますが、横座りによる内旋位の脚側の寛骨は上にあがり、対側の寛骨は下がってみえます。それに伴い、背骨の腰部分に当たる腰椎は上がった寛骨とは逆側に向けて倒れ(側屈)、その上に連なる胸椎は、倒れた腰椎の分の帳尻を合わせるため腰椎と反対側に倒れます。そのような流れで頭のてっぺん迄左右に曲がったり、左右に捻りながら重力に抗して成り立っています。

成り立っていると言うと聞こえは良いですが、体の様々な部分に負担をかけます。

腰痛症状の出方は横座り以外の生活習慣も絡んでくるので決まったものではありませんが、腰部において寛骨の上がった側の筋肉は過剰に伸ばされて負担がかかりますし、寛骨の下がった側の筋肉は腰椎が倒れる事で潰されてしまい負担がかかります。

これだけ特有の歪みを引き起こす座り方ですので、横座りする人の服には斜線上のしわがつきやすいですし、スカートなどの下衣はまわりやすくなります。筋膜や皮膚も螺旋状に捻れるので、臍の位置は正中線上から外れ、鼻から垂直におろした線は臍と結びつきません。

横座りによる腰痛の人の環境で多いのが、椅子のない生活をしている人で、職業では保育士や学童保育の職員など子供相手に働いている人にも多くみられます。

当院には札幌市から横座りが原因の腰痛の方が多くみえますが、横座り様の身体の歪みになっているが、横座りはしてないとおっしゃる患者さんがたまにみうけられます。よくよく施術ベッドから起きる時を観察してみると横座りを経由して起き上がっています。

その事を指摘すると「その位もダメなの!?」と皆さん驚かれますが、少ない時間であっても毎日365日やっているわけですから、歪みの蓄積は相当なものです。

病院でいくらリハビリをしようとも、整体やマッサージをしようとも、横座りの習慣がある人はそれを治さない限り腰痛を克服する事が出来ません。辛い腰痛をお持ちの方は今一度自分の癖を考えてみてはいかがでしょうか?