病院にかかると椎間板ヘルニアと診断される事が多い理由
日本人の90%は人生の中で1度は腰痛を経験すると言われている位ですから、腰痛を患い病院にかかった事がある方は多いのではないでしょうか?
実際に病院に行くと決まってレントゲンを撮ります。腰部以外のレントゲンは別として、判別できるのは骨位です。ですから骨折や骨棘など骨の変形の判別には有効です。お医者さん、特に整形外科医において、骨に異常があるかないかは優先事項なので検査として必須なようです。これは腰痛や椎間板ヘルニアにおいて名医と呼ばれる先生においても例外ではありません。
椎間板はレントゲンには映らないのですが、腰椎(背骨)と腰椎の間隔の大きさから椎間板がどうなってるかを推測し、診断を下すお医者さんもいらっしゃいます。そのため腰椎間の間隔が狭いと椎間板がとび出ていると判断し、「腰椎4番と5番の間潰れているねー。」などと言われ、”椎間板ヘルニア”と診断を下される場合もあります。
いい加減な診断のように聞こえますが、中には視診、問診、徒手検査等を追加し、かなりの確率で病名がわかるため、そのように診断を下す名医もいらっしゃいます。しかし、前述のようにレントゲンの画像による椎体間の間隔だけで判断し、診断を下してしまうお医者さんも多いようです。
患者さんも状態が軽度で、根拠があって下した診断なら良いのですが、当院にいらっしゃる患者さんのお話を聞く限り、そのような安易な診断を下すお医者さんに誤診が多いように思います。
椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛などで、日常生活に著しく支障を来たす状態や、手術が必要と判断された場合、MRIなどの精密検査でより細かく検査をされる事が多いです。これは診断を確実なものにする他、今後の治療や手術をする上で、椎間板ヘルニアがある位置、方向、とび出し幅の大きさなどを正確に把握しておく必要がある事が理由の一つになります。言い変えれば、その病院のお医者さんが治す意思があるか、手術が可能な大きい病院に紹介する意思があるという事が言えるのではないでしょうか。
MRI検査では筋肉や神経、椎間板などの軟骨などレントゲンではわからない所が映る事がメリットになります。そのため、椎間板ヘルニアがあればはっきりと映し出す事が可能です。しかしここで問題となる事は、実際に痛みや坐骨神経痛を出していなくても、椎間板がとび出しヘルニアを起こしている方は意外と多くいるという事です。
まして腰痛や坐骨神経痛を訴えて病院へ行き、MRIを撮っているわけですから尚更椎間板ヘルニアがみつかりやすい状況です。そのため手術を受けたが痛みが取れなかったというケースが生まれてしまうのも必然的に思えます。
セカンドオピニオンをして全く違う診断をされた経験がある方もいるかと思いますが、診断権はお医者さんにのみ認められている特権ですので、処置や治療の医療ミスをして罪に問われる事はあっても、誤診をしても例外を除き罪には問われません。
経験値が高く、患者さんとしっかりと向き合うお医者さんであれば誤診は少ないと思われます。しかし患者さんの状態や症状を主観で判断し、軽視するようなお医者さんは誤診する所か、患者さんの気持ちを不快にさせます。
自分の症状が本当に椎間板ヘルニアかどうかの判断材料として役に立ってくれたら幸いです。