椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛 製造業女性
椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛と戦う製造業20代女性の施術結果です。
坐骨神経痛とは腰椎から足先にかけて伸びる神経で、腰痛や腰椎椎間板ヘルニアなどなんらかの理由により坐骨神経が圧迫された時に出現する症状です。
この方は四か月前位から右の太ももの外側と裏面からふくらはぎの外側にかけて痛み出し、夜も熟睡出来ないとの事でした。札幌市内で立ちっぱなしの製造業をしていて、立っている時間が長くなればなる程坐骨神経痛がひどくなります。
札幌市内の整形外科では腰椎椎間板ヘルニアと診断され、痛みで仕事もままならないのでブロック注射を打ってきたようですが、神経を一時的に麻痺させているだけの対症療法なので長くは持たないのも当然です。整骨院でも電気治療やマッサージによる施術を受けてきた様でしたが、あまり改善されなかったとの事でした。
歩いている時の方が少し楽との事でしたが、初めて当院に来院したとき右脚を少しかばいながらいらっしゃいました。ベッドに横になっても楽な態勢はごくわずかで、左右の脚が少し閉じるなど微妙な角度の違いで坐骨神経痛が強くなります。
整形外科において腰椎椎間板ヘルニアと診断された人であっても、実際は腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛ではない方は多々います。しかしこの患者さんにおいては触診や叩打検査など徒手検査において、腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛も絡んでる可能性が強く疑われました。
“腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛も絡んでいる”という言い方をしたのは、いろいろ検査していく中で、股関節など下肢全体のズレや筋肉の歪み緊張も著しく見られたので、椎間板を元の位置に戻すだけでは治せないであろうと思ったからです。
これだけ関節がズレて筋肉の走行が曲がっていると、足首や膝の関節運動も正しく行えませんので、血液やリンパ液など体液循環が悪くなり、脚の内圧が上がってしまうので痛みやしびれに変わってもなんら不思議はありません。
椎間板ヘルニアは一時置いておいて、まず右脚のズレや歪みが顕著な関節や筋肉を正す治療から始めました。一通り正し終えると、ベッドで横になっている分には坐骨神経痛による痛みやしびれがなくなりました。立っている時に一番痛むとの事だったので、数分立っていてもらうと再び坐骨神経痛が襲って来ました。
そのためここから椎間板ヘルニアの治療へと移行しました。ベッドに横になった患者さんの腰椎を操作してとび出た椎間板を元に戻しました。しびれがきれいに消えるか、脳で記憶している残像のしびれである足先だけにしびれが残ると成功です。再び数分立って頂き、しびれが足先にだけになったのでその日はお帰り頂きました。
後日右脚全体のだるさはあるものの、しびれは前回の治療後と同じ足先だけにあるとの事だったので経過は順調でした。その後求心性の作用を利用して、しびれる理由がもうない事を脳に教える治療をする事で足先のしびれもなくなりました。
仕事が立ちっぱなしの上、身体をひねったり身体の軸を傾ける事が多いため、右の股関節を始めとする右脚の歪みを何度も作って来ては軽い坐骨神経痛をその都度再発させました。施術により股関節を柔らかくしたり、仕事のフォームを気をつけて頂く事で四か月後位には再発する事はなくなりました。