坐骨神経痛 治療例

今回は坐骨神経痛により札幌市から来院して頂いた30代男性の治療例を紹介します。

この方は学生時代にぎっくり腰を発症し、以来腰痛と付き合って来たとの事。

今回の主症状はただ立っているだけでも脚にしびれを感じる坐骨神経痛で、2年前から発症し、恵庭病院を受診すると腰椎椎間板ヘルニアと診断されたようです。その際鎮痛剤を処方され、だましだまし生活してきたそうです。

坐骨神経痛の原因を探り当てるため筋力テストや整形外科テストなど様々な徒手検査を行っていくと、本当に腰椎椎間板ヘルニア由来の坐骨神経痛である事がわかりました。

なぜこのような言い回しになるかと言いますと、病院で椎間板ヘルニアと診断を受けても、実際は椎間板ヘルニアとは無縁な坐骨神経痛である事が多々あるからです。

腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛という事が判明しましたので、まずオステオパシーによりとび出た椎間板を元の位置に戻しました。この技法により物理的な神経圧迫はなくなるので、多くの方でしびれの消失、もしくはしびれの範囲が短くなります。

椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛との付き合いが長い方は、脳がしびれを深く記憶してるためしびれの範囲が短くなるという反応になりますが、この手技を繰り返す事により次第にしびれがなくなって行きます。

この方は椎間板を元に戻した後しびれは消失し、重だるさが残りました。患部である左脚に極端に重心が寄っていたので、その過負荷による重だるさと判断し重心を少し右に寄せました。すると重だるさも消えたので、そこでその日の治療は終了となりました。

とび出た椎間板を元に戻した時点でしびれは消失したので、無理がかからない限り再び椎間板がとび出る事はないと考えますが、重心が傾く癖は慢性化しているようでしたので、正しい位置を身体に記憶させる迄、繰り返しの治療が必要になりそうです。