腰方形筋が影響して起きる腰痛について
体幹を支える上で重要な筋肉の一つに腰方形筋があります。この筋肉に異常が出る事での腰痛も割合として多いです。
腰方形筋とは骨盤の上端から肋骨の一番下の骨(12肋骨)と腰椎(背骨の腰部分)の上から数えて4つ迄(腰椎1~4番)に向かって付いている筋肉で、左右に一つずつ存在します。
おおまかな役割は上体の側屈(横に倒す)、前屈(おじぎ)などで、日常生活においては足の位置を固定したまま、かがんで狭い所に手を伸ばして掃除する時などに強い負荷がかかる筋肉です。
静止時においては肋骨の保持に働いています。まずありえない話ですが、腰方形筋が全く働いていなければ肋骨は正常時より上に上がってしまい、腰や胴の長い人になるかもしれません。
このように普段の生活において重要な役割をする筋肉ですので、疲労したり、障害される事により腰痛に繋がりやすい筋肉です。かがんだり上体を倒す様な作業が多かったり、身体から離して重い物を持つ時など傷めやすいです。
電車乗車時窓側にもたれかかるようにして長時間眠ってしまっても、腰方形筋を傷める可能性があります。この行為は一見負担が少ないように見えますが、窓側の腰方形筋は縮みっぱなしで反対側の腰方形筋は伸びっぱなしとなり、血行不良が起きた状態です。
そのためこの形のまま筋肉が硬くなり、元の姿勢に戻してもアコーディオンのように筋肉は戻らず、腰方形筋の筋肉バランスは乱れたままなのです。実際に札幌市でJRをお使いになり、当院にお越しいただいている患者さん数名にみられた腰痛症状でした。
また腰方形筋は骨盤に付着している筋肉ですので、腰方形筋の異常は骨盤の歪みも引き起こします。その際腰方形筋に原因がある事を見抜き、腰方形筋を正常化出来なければ、骨盤を矯正したつもりでも偽りの矯正になってしまい、すぐに元に戻ってしまいます。