腕の状態が影響して起きる腰痛

ここでは腕の状態が影響して起きる腰痛について説明して行きます。

腰痛の原因として腰骨、腰やお尻まわりの筋肉が影響しやすい事はイメージがしやすいと思いますし、実際腰痛患者さんの多くが障害を受けている部分です。

しかし、腕の捻れや、肩の関節の位置が腰痛に影響を及ぼす事はあまり知られていません。

身体の中において離れた位置にある腰と腕ですが、広背筋という筋肉において繋がっています。腕の付け根から骨盤にかけて付いているとても大きい筋肉で、アスリートの逆三角形の身体を担っている筋肉です。

障害を受ける要因としては、様々なシチュエーションで広背筋が伸ばされてしまう事にあります。姿勢悪く座り肩が前に入った状況での長時間のデスクワークや、腕を目いっぱい伸ばさなくてはならない状況での反復作業などです。

いかり肩の人も広背筋を障害されやすい傾向にあります。これは広背筋の付着部である腕の付け根と骨盤の距離が離れている形態をしているため、肩が基準の位置にある人に比べ伸ばせる許容が小さいためです。

その他肘や手首、指の関節がズレても広背筋を障害します。肩関節の動きや位置は肘や手首、指などの影響により大きく変化すためです。そのためテニス肘や肘部管症候群、ばね指、腱鞘炎など一例をあげてみましたが、これら腕周囲に何も障害がない人に比べると腰痛が起きやすい身体と言えます。

札幌市から当院に訪れる腰痛患者さんのうち、10%弱は腕の状態が影響している腰痛患者さんです。なかなか良くならない腰痛を抱えている方は、腕の状態が影響しているかもしれません。