仙腸関節障害による腰痛
ここでは仙腸関節に関連した腰痛について説明して行きます。
仙腸関節とは骨盤において、仙骨と寛骨からなる関節で、靭帯によって強固に連結しています。
動きの幅は2~4mmとほとんどありませんが、このわずかなあそびが建物の免震構造のように負荷を分散させています。しかし、仙腸関節の動きが制限されたり、歪みが生じる事で痛みを引き起こします。
多種多様な腰痛がありますが、訴える症状として、ウエストラインより上が痛む人よりも、ウエストラインより下が痛む人の方が多く、そのほとんどは仙腸関節の障害が関連している腰痛です。ですから腰痛全体としてみた場合でも非常に多い障害と言えます。
仙腸関節が歪むとは、骨盤が歪む事ですから、その上に連なる背骨や頭の位置にも影響を与えます。そのため、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症と診断された方でも、実は仙腸関節の障害からくる腰痛だったという事は少なくありません。その他、ウエストラインより上の腰痛、肩こり、頭痛なんかにも間接的に影響を与えます。
原因としては、横座り、片脚に荷重するなどの不良姿勢、中腰姿勢での反復作業、長時間同じ姿勢でいる事などさまざまです。
治療法として、軽度のものでは仙腸関節へアプローチする体操で良くなる場合もありますが、中度重度のものでは、仙腸関節のロックをミリ単位ではずす必要があるため、高度な技術と経験を必要とします。
前述してきた通り、仙腸関節は人体の土台である骨盤の関節であるため、ここに障害がある事で身体に様々な影響を与えます。症状として軽い状態であっても、その軽微な歪みを人は無意識にかばう事で修正しようとします。仙腸関節障害が重症化し問題が複雑化する前に治療し、生活習慣を見直す必要があります。