腰痛に対する湿布薬の効果について

腰痛にかかわらず、また急性慢性に関係なく、痛みが出現した時に多く用いられる方法として湿布薬があります。市販で簡単に手に入り、貼り方も難しくないので老若男女問わず使われているのではないでしょうか。

湿布
湿布薬は皮膚や皮膚に近い比較的浅い層の腫れ、熱感、発赤、痛みなどの炎症時の4徴候に効くとされていて、痛みを和らげるという意味では腰痛に効果を出す事もありますが慢性痛に対しての効果は乏しいです。

有効成分のサリチル酸メチル、インドメタシン、dlカンフルなどが、鎮痛消炎や血流増加などの抗炎症作用があり、メントールやカプサイシンに冷感、温感に作用させる効果があります。

貼付剤なのでいずれの成分も血中への浸透は少ないので、副作用は経口剤に比べ少ないですが、循環器系など持病を抱えてる方は注意が必要です。

メントールやカプサイシンなどが冷感・温感に作用させると書きましたが、あくまでも皮膚感覚においてですので、一時的に皮膚温度が変化するに過ぎません。そのため冷却効果や体温上昇による血流増加はあまり期待出来ません。

唐辛子のイメージ
ただ、皮膚で感じる神経と患部で感じる神経において、一部同じ感覚神経であったり、脳で感じる部分が近かったりしますので、皮膚の冷感であっても患部を冷やされている感覚になり、結果疼痛緩和に作用する事は考えられます。

痛みを長びかせると身体の問題はなくなっているのに、脳で痛みを記憶させてしまい、いつまでも痛みが続いてしまうという事もありますので、湿布薬により腰痛などの痛みが緩和するのであれば、対症療法として使って行くのは有効だと思います。

同時に痛みの原因を解消する治療や再発防止のための取組を行っていかなければ、湿布薬がいくらあっても足りませんし、皮膚の負担も増えてしまいます。