腰痛が良くならない方の考え方

どのように腰痛と向き合うか、頭の中で腰痛について考える事の占める割合、なぜ腰痛になったのかを理解する事など、メンタル面が腰痛改善に多大に影響します。

なりたくてなったわけではないにせよ、腰痛持ちになった原因は自分自身にある事をまず理解しなければ、良くなるものも良くなりません。

腰痛が良くならない方の傾向の一つに、治してもらおうという受け身の姿勢、他力本願な所があります。腰痛改善のためプラスになる事を施したり提案、指導をしても、アドバイス通り生活してもらえなければ改善して行かないのは言う迄もありませんが、言われたからやるという受け身な気持ちだと、効果が出ないと人のせいにしてしまったり、気持ちが後ろ向きになるので、そこで心にブロックがかかり治療が停滞してしまいます。

自分の子供やペットが病気になった場合なんかは、「誰かに治してもらおう」ではなく、「この子は私が治すんだ」と病気についていろいろ調べたり、能動的な考えになる方は少なくないと思います。これ迄札幌市内の患者さんを中心に臨床にあたって来ましたが、自分の身体に対してもそのような心持で考えられる方は、経験上改善率が高いように感じます。

性格としてポジティブな方の方が、ネガティブな考えの方よりももちろん好転しやすいですが、生まれつきの気質やこれ迄の人生で培われた性格がありますので「ポジティブになりなさい。」と言われてもなかなか難しいものがあります。

しかし、考えや言動の末尾に「~だから大丈夫」とか「~だからまぁいいか」など、ネガティブな考えの最後にこれらの言葉を付け加えるだけでも、少しずつマインドが変わっていき、身体にも好影響を与える事があります。

家庭や仕事などでのストレスの割合が多い方も、ストレスが少なく、腰痛以外では生活が充実している方に比べ、痛みがしつこくつきまう傾向にあります。これは脳科学的にも証明されていて、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質の分泌を妨げるので、痛みが感じやすくなるからです。

ストレスの種類

このようにどれだけストレスを受ける事が多いかが痛みの強さ、頻度に影響します。頭の中が「この薬を飲まなくなったら腰痛が悪化するのではないか…」「出かけるとまた腰痛が悪化しないだろうか…」何かにつれ腰痛について考えてしまう思考になると、脳において痛みを抑制する信号が出にくくなり、身体の器質的に問題がなくなっても痛みが続いてしまいます。

そのため、ギックリ腰を起こした時などの急性の痛みを除き、いつも通りの慢性痛であれば、好きな場所に出かけたり、友達と雑談したり、趣味に没頭したりなど、頭の中から腰痛に対する思考が薄れるような事をした方が、好影響を与える事が多いです。

まずは今治療してもらっている先生の言う事を信じ、治療に一緒に参加している意識を持つ事必要になります。そうしなければ例え治る方法を提示されていても、他に必要のない治療法や体操を組み合わせる事で、全て無駄になる事さえあるからです。