腰痛に浮き指は影響するかどうか

日本人の多くの方が悩まされている腰痛に、最近メディアでもとりあげられる事が多くなった浮き指が影響するかどうか。

そもそもみなさんは浮き指とはどういうものかご存知でしょうか?

足の指が力を抜いた状態でも過剰に反ってしまっている状態で、そのような時立ったときに足の指に荷重が加わっていません。

フットルック

この画像のように浮き指になっていても、本人の目線からは指が浮いているか付いているかは見えませんし、例え浮いていたとしてもその足の形が当たり前になっているので自覚はありません。判定方法の一つとして、足の甲から足の指にかけてフラットな状態を0°とした場合、足の指を手で掴み反らせた時、90°以上足の指が反ってしまう人が異常とされ浮き指と判定されます。

浮き指になると、様々な症状を引き起こしやすいと言われています。肩こり、頭痛、むくみ、生理痛、冷え症など…。腰痛も例外ではなく、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛などにも影響を与えます。

浮き指を初めて知る人の中には、「指が反った位で大げさな!」と思う方もいるかもしれませんが、直立二足で立ち歩行する私たち人間は、地面と接地している面積は非常に狭いです。その身体全てを支えている足の裏のうち指の面積に占めるウエイトはかなり大きなものですので、そこに荷重がしっかり加わっていないとその上に成り立つ身体全てが不安定になります。

建造物をイメージするとわかりやすいと思いますが、ピラミッド型の建物は安定しますが、三角錐や円錐型の物は地面との接地面が狭く不安定ですので、オブジェとして成り立っても人が住む建物としてはありえません。

浮き指になっても不安定感を感じないのはその身体に慣れてしまっている事もありますが、足の裏より上に存在する関節や筋肉が、人知れず不安定な身体を支えようと緊張し無意識に保っているからなのです。

そのため浮いている指自体に”痛い!”と言う感覚はなくとも、足の裏より上にそびえ立つ、様々な箇所に症状が出やすくなるのです。

前述してきた免震構造崩れる事の他に、身体の後面の筋膜や皮膚、筋肉(以下筋膜と呼びます。)が引き伸ばされる事も身体に対する悪影響の一つです。

指立て正座

足の指を手で掴んで反った場合、足の指や足の裏の筋膜だけでなく、後頭部に至る身体の後面全ての筋膜が伸ばされます。一時的に伸ばされた程度ですと、足の指を反るのを戻すと身体の後面の伸びた筋膜は元の位置に戻りますが、浮き指になる原因の一つである足の指を反っての正座のような姿勢を習慣的に繰り返すと、たとえその形を止めて元に戻そうとも伸びた筋膜が元に戻らず、ある程度伸びっぱなしになってしまいます。

筋膜などが伸びてしまい、薄くなる事で神経を刺激し、痛みやしびれを出す事はよくある事です。浮き指により伸ばされる身体の後面の臀部からふくらはぎにかけての部位なんかは、坐骨神経痛や腰椎椎間板ヘルニアなどで出現する症状と位置的にも一致し、札幌市の病院において椎間板ヘルニアと診断された患者さんのしびれの原因が浮き指だったという事もこれ迄ありました。

すでに浮き指の方もそうでない方も、日々の習慣一つで予防が出来ますし、施術により治療する事も可能ですので、自分は当てはまるかどうか考えるきっかけにして頂けたら幸いです。