腰痛に対する電気治療器の効果について

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腰痛患者さんの中には病院(特に整形外科)や整骨院などにおいて電気治療を受けた事がある方も多いと思いますが、実際の所その効果はどうなのでしょうか?

電気治療器の中にも様々な種類があり、どの人にどの電気治療器を用いるか、どの様に機械を当てるか、どの位の時間作動させるかなどで効果に大きな違いが出て来ます。
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家庭用として市販されている物も多く、一番身近なのが低周波治療器ではないでしょうか。低周波治療器はその名の通り、周波数が1~1000ヘルツ程度の低い周波数の電気治療器の事を指し、浅層筋など身体の浅い層に働きかける電気治療器です。そのため他の電気治療器よりも皮膚抵抗が強く出力を上げると、かなりの痛みを伴います。(治療で使う際そこ迄出力を上げませんが)皮膚抵抗がある分揉まれている感覚にも近いので、そこが家庭用として多く普及している要因かもしれません。

低周波治療器が浅い層に働きかけるのに対し、中周波治療器や高周波治療器は皮膚抵抗を少なくし、より深部の組織を刺激させる事が出来ます。そのため低周波治療器に比べ、感覚的には刺激が小さく感じるかもしれません。またその特性を利用し筋力トレーニングに似た効果があるとされるEMSとしても用いられています。お腹にシールのように貼り付け、ピクピク筋肉を振動させているCMでおなじみのやつです。

その他さらに周波数の高い超音波治療器もあります。超音波とは人間の耳では感知出来ない周波数の事で(20000ヘルツ以上)、治療では1000000ヘルツ3000000ヘルツなどの周波数で行います。効果としては骨折や創傷部位の治癒を早めたり、痛みの抑制、手術等で体内に金属が入っている方にも使用可能などの特徴があります。

何をいつ使うかはケースバイケースと言ってしまうとそれ以上説明する事がなくなってしまいますので、おおまかに説明させてもらいましたが、教科書通りに効くわけではありません。腰の深部に痛みがあり、問題となっている筋肉も深部であっても、低周波治療器により浅い層の筋肉にアプローチする事により間接的に効果をもたらす事だってないとは言えません。

料理人によって食材の活かし方が違うように、電気治療器も使う人の見たてる能力、使い方一つだと思います。そのため、腰痛のため家庭用電気治療器を買ったはいいがまったく効果がないという方に対しても、身体のメカニズムや電気治療器の特性を理解している人が使用するとひょっとすると効果を出す事が出来るかもしれないという事です。

状況や使い方により効果的な電気治療器ですが、身体の骨格構造や悪い使い方等根本的な原因の解消には至らないので、電気治療器を効果的に使えてるにしても、根本的な治療も同時進行で行いたいものです。